3rdSTORY:担任
二年、七組。
少し早すぎる桜に囲まれて、晴れて二年生。
今日は、遅刻しなかった。
「京子!」
後ろを振り返ると、中学のときから同じの三井 美樹。
通称、みっちゃん。
去年は違うクラスだったけど、ほとんど毎日遊ぶほど仲は良かった。
「みっちゃん!」
「同じだ!」
「本当だ!」
「よろしくっ!」
「よろしくー」
みっちゃんはとてもサバサバしている性格で、とても明るい。
そんな2人はとても似ているのだった。
「担任三島なんだって」
「去年二年の担任だった?」
「そー」
「なんで?」
「さー?」
「ふーん」
担任はその年の生徒と一緒に持ち上がりになるのが普通だ。
不思議だ、と思いながらも教室に入った。
教室にはほとんど集まっていて、わいわい騒いでいた。
すると、三島が入ってきた。
「席着けー」
京子の席は窓際の一番前だった。
すぐ後ろの女子がコソコソ話す声が聞こえた。
その声を掻き消すように、三島が自己紹介を始めた。
「えー初めまして、だよな?」
教卓のすぐ前の男子に尋ねた。
男子は頭を縦に振って頷いた。
「去年二年の担任をしてました、三島 俊明です。教科は地理です。」
後ろの女子がまたコソコソ話しているのが聞こえた。
しかしまた、三島の声で掻き消される。
「えー二年は一番中途半端だけど、一番成績が伸びる年だぞ。部活も良いけど、しっかり勉強するように」
そういうと、三島はプリントを配り始めた。
短いHRは終わり、今日は部活も休みだったから、みっちゃんと帰ることにした。
「ねーみっちゃんー」
「何?」
「さっき、後ろの女子がコソコソ話してたんだけどー」
「あー三島の事?」
「いや、よく聞き取れな・・・え?」
「それ多分三島の事。」
「何で?」
「モテるからね〜」
「そうなんだ」
「ほんとそーゆうとこ疎いよね」
「興味ないもん」
「興味持てよ」
「うっさい」
別に以外だとは思わなかった。
丁度一年前、去年の担任が言っていたのを思い出した。
やっぱり、本当だったんだ。
知らなかったわけじゃなかった。
文化祭でも、先生は告白されているのを見たし。
「そーいや」
「何?」
「名前忘れたけど、京子の事好きだって男子がいた」
「またまた〜」
「いや、本当に」
「嘘でしょ?」
「ちぇっ」
「もーいいから〜」
「興味持ってよー」
「いーや」
こうして二年生が始まった。
誰も先の事なんて分からないから、何が起きるなんて分からないから。
美樹が言っていたことだって、まさか本当だったなんて。
それによって起きる事件があったなんて。
それから・・・
何にせよ、京子にはこれから待ち受けることがたくさんあることを、知らなかった。
-----------------------
2/13:5thSTORY完成
誤字脱字など御座いましたら御連絡下さい。
何となくな展開(笑)
と、いうわけで、ドンドンいきましょう!!
読んで頂いてありがとうございました
09.2/13:樹